【第四分科会】花と農を楽しむ暮らし

テーマ:園芸活動を通した地域づくりについて、市民農園や
コミュニティガーデン等の事例を基に話し合う。

■ファーマーズクラブ東葛西講師:浅岡 博行氏 ★パネリスト

zenkoku09_h_clip_image002 江戸川区ファーマーズクラブ東葛西は、3,550㎡の広大な土地で3月25日に開校した。周りはほとんど住宅と高層ビルである。苗と種と肥料と農具、資 材、それを我々江戸川区とファーマーズクラブのほうで全部用意して、利用者は畑へ来て、畑を耕して野菜を育てることを主体にしたクラブを立ち上げた。
区画は50区画で、1区画が40㎡、(約13坪)、年間利用料が50,000円。その中に耕作管理費と指導料及び苗、肥料と種代が全部含まれている。利 用者は家族またはグループが入園中で50組、ほとんど全部埋まっている。利用期間が3月1日から1月末までの約11ヶ月、希望により最長5年まで更新が可能になっている。
栽培野菜は、区が指定した野菜をすべての区画に同一に作付けをしている。収穫された野菜は基本的に入園者が自家消費する。講師は江戸川区と現役の農家で委託契約を結んだ私と、補助として今、農業ボランティアが手伝いに来てくれている。
クラブハウスは大事なものをしまっておくところ、パイプハウスが鍬、耕運機、資材置き場である。
今年は、3月に開校して、トマト、キュウリ、ピーマン、ナス、エダマメ、トウモロコシの6品目の種をまいた。利用者の半分以上が素人で、最初から畝づくりから全部教えて、種のまき方も教えて、それでやって何とか今年は無農薬で、夏野菜を収穫できた。こんなにおいしい野菜、スーパーと全然違うねという話が利用者から出てきた。
講習は月に2回、第1水曜日と第3水曜日にやっている。この講習に来られなかった人は、ハウスの中の掲示板に講習内容を全部書いておいて、私がいなくても作業ができるようにしてある。
我々の野菜づくりも緑の景観の一環として残していくスペースだと思っている。東京のど真ん中にこういう畑ができるスペースがあるというのは、緑の癒しの空間かなと思っている。

■手づくりのお花畑 はながさの丘管理人:押切 三晄氏
zenkoku09_h_clip_image002_0000 全国たくさんの市はあるが、花の字のつく市は2つ、花巻市と私の地元尾花沢市である。そこで花のまちづくりネットワークが組織されている。各地区、集落、グループごとに参加をして、まちじゅうを花で飾ろうという運動を進めている。
若い時代、スイカをつくろうということで、10年、20年、いろいろな苦労を重ねながら乗り切って、今の尾花沢スイカができ上がった。その経営のほうは息子へ任せて、今度は荒れ放題になってきたスイカ畑、ヨモギや何かで草いっぱいになった畑を耕して、花を植え始めたところである。
ポピーの苗を8,000株育て、それをみんなで植え込む。十何年間も一緒に取り組んでいる市内のひまわり保育園の子供たちと一緒になってヒマワリの種をまいて、200mの徳良湖に通ずる道路に咲かせる。
園芸福祉は私と私の娘2人だけが初級園芸福祉士になって福島の皆さんと一緒に活動させてもらっているが、福島の皆さんがバスで尾花沢を訪ねてくれた時の記念に植えたヤナギバヒマワリ(ゴールデンピラミッド)が花街道となっている。
はながさの丘は、ジャーマンアイリスが主力で、900品種、3万株ある。一斉に咲くと人でいっぱいになって、来年はライトアップ計画をしている。シャクヤクは5,000株あり、これも喜んでもらっている。ユリも20,000株あるので、結構見ごたえがあって、会員の皆さんには切り花をやってもらっている。
それからヘメロカリス、ヤマカンゾウとかノカンゾウ、ニッコウキスゲみたいな系統で300品種あり、5,000株が咲く。春からずっと夏、盆ごろまで切れ目なく花が咲くように心がけている。
池もつくって、尾花沢の在来のメダカを保護して、増殖を図っている。来年は大きなたらいを使って、花畑の中でメダカの学校を開校する予定である。
市の花ツツジ、イヌツツジ・レンゲツツジ、これが極めて自然の中で少なくなってきたので、その増殖もやっている。
これからの課題として、個人の力の限界を感じているので、NPO法人を今、検討中で、継続していけるような花畑に拡大していきたい。広大な土地がある。舞台があるので、その強みを生かして頑張っていきたいと思っている。

■NPO法人岐阜県園芸福祉協会サポーター:桑澤 宏康氏
岐阜県中津川は、5年前に長野県の馬籠と越県合併した市である。私はサラリーマンで、定年になる2年前に初級園芸福祉士の講座を受講、家内が1年先輩で、心強いパートナーになっている。
zenkoku09_h_clip_image002_0001定年になって、高齢化と少子化が進んでいる地域であり、活性化をしていくためにはコミュニケーションの推進が必要だということで、年代を越えた交流、遊休農地の活用が必要ではないかと考えた。園芸福祉の最終目的の1つは自給自足と思っているので、これを背景に活動を進めていくことになった。
まず1番目には、中津川市の南地区のヘルスウォーキングコースの市道沿い約200m、7ヶ所の花壇を約20名で手入れを行っている。会の名称は、ふれあいサロン「徳実会」。花壇をつくる、維持していく、ということだけでは人が集まらないので、前半は花壇の手入れ、後半がお茶を飲んで世間話、あるいはクラフトづくり、ゲームをしようと呼びかけ、1時から3時まで、1時間が花壇の手入れ、1時間がコミュニケーションの場ということにしている。
平成17年10月に立ち上げ毎月1回、第1木曜日で継続している。子供たちにも、花壇づくりを手伝ってもらったり、その後、ヨモギ大福をつくって、高齢者、大人とともに楽しんだり、時には男性陣による手料理も大変好評である。
2つ目の取り組みは、ソバづくりを通して地域の活性化促進事業。遊休農地がたくさんあるので、自分たちで安心・安全なものを食べようということで、5家 族10名でスタートした。みんなでソバを栽培して、収穫したソバ粉でソバ打ちして、多くの人たちと楽しむことを目的に持った。
やってみて感じたことは、食育、食の安全・安心に非常に関心が持てるようになった。自然界のすばらしいシステムとバランスに大きな感銘を受けた。
次にやってみたことは、他の地域へも展開して4つのグループが新たに立ち上がり、圃場面積も10aから28aに拡大している。来年は隣の土岐市のほうからも初級園芸福祉士の方がグループをつくってやりたいという話もある。
この活動の原動力は、農は皆で力を合わせて行うので、ほんとうに楽しい作業である。健康に感謝しながら仲間と一緒に同じことができる。安全・安心なおいしいものを食べる楽しさがあるからと考えている。
今後の展開としては、楽しまなければ続かないので、ブルーベリー、ラズベリーなど果樹を定植して楽しみたい。ソバは前作、栽培、収穫量のアップ、創作品を 手がけていきたい。さらなるネットワークの構築に向け、グループ化を促進していく。それから食育の充実としては、子供会とのコラボレーションをしていきた いと考えている。

■(特活)NPO支援センターちば:飯島 弘子氏
zenkoku09_h_clip_image002_0002 2004年度にスタートしたが、畑で主に野菜をつくっており、野田市内の全施設、知的、身体、精神障害者団体の施設が全部かかわっていて、野田市の社会福 祉課がその窓口になり、農地も農政課が窓口になって関わっていてくれる。そこにNPO支援センター千葉がコーディネート、そのバックに生協があるといった 組織である。
障害者の自立ということで始めたが、やはりボランティアの力が必要となり2005年度に、定年退職後の方たちを対象には初級園芸福祉士養成講座を開催。50aに畑を増やして、自分たちで、何もないとビニールハウスを建てることから始めた。
そして、2007年度から園芸福祉の取り組みが第2期を迎え、継続可能な体制づくりを進めている。生協の特徴である地域の資源を活用してという方針から 良質な堆肥をつくり、最終的には有機栽培で、そのまま口にしても安心という野菜をつくろう。あわせて、障がい者や高齢者の雇用支援の場も提供できるシステムづくりを進めることになった。
昨年、BMW技術システムというプラントを導入、食品の残渣、家畜のふん尿、畑でできた残渣、野田市の問題であったもみがらなども混ぜて良い堆肥をつくるという取り組みを始めている。
事業なので、1町歩まで畑を広げ、ビニールハウスも3棟借りて有機栽培の実験を進め、現在は良質な堆肥をつくるために堆肥センターも設立しつつある。こ れが可能になれば、地域の方に堆肥を分けながら、農業のネットワークをつくり、雇用の場をつくっていく想定であったが、ちょっと誤算もあり、今年の秋から 畑全体を花とハーブでゾーニングしていくような計画に変えた。
花の栽培は障害者の施設の方たちが、もう既に毎日のように畑に来て種まきなどの作業を始めている。
今後の方向性として、地域資源循環型の農業を基本として、名前をウェル・アンド・グリーンファームという事業を立ち上げる予定で、園芸福祉ファームも拡張して、ハーブとか、野菜のコンパニオンプランツ型で、特徴ある農園をつくっていく計画である。

■NPO法人千葉県市民農園協会理事長:廻谷 義治氏  ★コーディネーター
今、地球にとって、いろいろ話題が出ている。こういうものの解決の行く先に心の安定もあるし、世界の平和というものも見出せる。
それを確かなものにしていくのが緑の活動じゃないのかと、日ごろ思っているところと結びついた。
私の場合は市民農園というフィールドを使って、こういう活動を日常的に、長期的にやっているが、私たちの日ごろの花がいくらでも世界につながっていく。農園にスウェーデンの方が来ていただいたが、気軽にそういうものを発展させていく、それは非常に楽しい。まさに楽しくやっていくということが発展をさせていくということだろうと思う。
zenkoku09_h_clip_image002_0003 ロンドン市長が2012年のオリンピックに向けて2012カ所の市民農園区画を増やし、エコ都市ロンドンをアピールしていくことを取り上げている。
皆さん方のこういう活動、いろいろな各層の活動をしっかりと日常化させていくという中で、きょうのテーマの「ゆたかな心 地にみどり」というものが実現されていく。
そして日本は温室効果ガス25%削減という約束をして、いろいろな面から脚光を浴びている。そういうものも確かなものになっていくと私たちは思いたい。

【第三分科会】環境にやさしい園芸福祉活動

テーマ:様々な環境問題を抱える中、環境保全や休耕地活用などの事例を基に
園芸活動の効用を話し合う。

■東京農業大学准教授:服部 勉氏  ★コーディネーター

zenkoku09_g_clip_image002 今回、第3分科会、環境にやさしい園芸福祉活動のコーディネーターをつとめます服部です。地元、江戸川での開催に少し緊張していますが皆さん宜しくおねがいします。
最近は江戸の園芸文化が多方面から評価され、多くの誌面などで紹介されています。
そのため私自身も庭園に加え、当時の緑の状況や園芸文化に関する話しをさせて頂く機会も大変増えています。そこで口先三寸とならぬように実際に江戸時代に流行った桜草や朝顔なども育ててはいますが今年は天候不順に加え、愛情が足らなかったのか、なかなか満足いくような美しい花が咲かずガッカリでした。
それでも狭い庭に、蓮から山野草、蘭などの鉢植えがごちゃごちゃと所狭しとひしめいています。そのため道行く方の眼に留まる事も少なくありません。
小さなひと鉢に、これからどんなしあわせを咲かせようか、その楽しみはつきません。(録音原稿がないため大会誌寄稿文から抜粋)

■いきいきガーデニングクラブ代表:黒澤 真紀子氏
zenkoku09_g_clip_image002_0000 2004年8月から東京都の要請により篠崎公園の緑づくりの企画に参加して、約半年間かけて準備を進め、地中式コンポストを埋設したハーブガーデンをつくることになった。メンバーは江戸川区環境部のリサイクルリーダー講習会で出会った仲間、その友人などが集まった。
2面の花壇があり、ハーブは比較的なじみのあるものから13種類を選んだ。ただしメンバーの大半がハーブのことをよく知らないという状況で、まず名前を覚えてもらうことから始めた。苗の植えつけでは、園内に小石がとても多く大変だったことが思い出される。それでもみんな一生懸命、腐葉土をすき込みながら植えていった。活動は毎月第二土曜の10時から2時間程度、そのほか自分の都合のよいときに来て作業してよいことにしている。
2年目の春には冬越ししたハーブはとても元気に株も大きくなり、3月には新しい苗を7種類追加してガーデンは少しずつにぎやかになってきた。前年に引き続き、お祭りへの参加と、体験教室を行い、家具の端材や段ボール、余り布などを再生して役立てる提案した。
3年目になるとハーブの知識も増え、バジルやイタリアンパセリを植えてみたいなど、メンバーの中からも提案の声が上がるようになった。剪定をはじめとするハーブの世話の仕方が上手になって、収穫量も増えてきた。
4年目は、チームで初めてガーデン見学に千葉県大多喜町に出かけた。そして、収穫祭を行い、春には19名、秋は31名の方たちに参加してもらえた。
今年は地球温暖化対策として緑のカーテンを広めていく手伝いをするまでになった。ガーデンづくりが軌道に乗るまでは大変なことのほうが多かったが、これからはゴミを一切出さないガーデンに園芸福祉の考え方も取り入れて楽しく続けていくための工夫をみんなで考えて行きたい。

■園芸福祉ふくおかネット副代表:黒瀬 恵子氏
zenkoku09_g_clip_image002_0001 園芸福祉福岡ネットは、2004年7月、福岡の初級園芸福祉士を中心に交流や情報の共有、技術の向上を目的として設立された。2005年には全国大会を開催し、現在会員は100名を超えている。さらに、全国大会をきっかけに韓国との交流が盛んになってきている。
これから緑のカーテンづくりの事例を2つ紹介したい。1つ目はゴーヤのカーテンづくり。これは2005年3月に起こった福岡西方沖地震で震源地に近かった玄海島の家屋の7割が全半壊という大きな被害が出て、島民は仮設住宅で避難生活が始まるという話を聞き、仮設住宅では夏は暑くて大変だから、何か園芸福祉として支援できることはないかと行政や多くのボランティア団体が一緒になってゴーヤのカーテンづくりをすることになった。
園芸福祉福岡ネットではゴーヤの苗づくりや竹の切り出しや取りつけ、苗の植え方の指導を行った。ゴーヤは緑のカーテンとなって、夏の強い日差しをさえぎり、実もつけたが、玄海島にはゴーヤがなく、食べ方がわからないとのことで、ゴーヤの料理教室も行われた。今では支援から交流に変わってきている。2つ目 の事例として朝顔のカーテンづくり。福岡市が地球温暖化対策などを目的として朝顔のカーテンプロジェクトを展開しているが、姉妹都市である韓国釜山市に福 岡市から朝顔の種が送られ、今度は釜山市の朝顔カーテンでとれた種が福岡に里帰りした。両市のみどりの交流を記念して、釜山市より官民合わせて45名を迎え、里帰り朝顔苗植え式なども行われた。環境を保全する目的でつくられた緑のカーテンづくりが、それぞれ海を渡り、人の心と心をつないでいる。

■園芸福祉首都圏ネット幹事:田畑 正子氏
zenkoku09_g_clip_image002_0002 活動のきっかけは6年前にさかのぼるが、東京日本橋ロータリークラブとの出会いであった。園芸福祉の考えに共感、中央区内のデイセンターでの活動の後、浜町公園に活動の拠点を移し、浜町公園ふれあい花壇としての活動が、2004年5月から始まった。
協働のメンバーは、まず活動資金を援助する東京日本橋ロータリークラブ、そして、花壇を提供してくれる中央区公園緑地課、花が好きで水やりやメンテナンスなどを担当する日本橋浜町地域の住民の方、そして活動のノウハウを提供する初級園芸福祉士4名で進められている。
花壇の維持管理作業の後、草花の生育に合わせた室内でのグループ活動との二本立てで毎月1回程度で土曜日の午前中に行っている。毎回その時期に合った活動を考えている。
活動の内容は、春5月と秋11月の2回、皆さんで花壇の植えかえをする。3グループに分かれ、デザインを決めている。
そのほか室内活動の例として、8月は、花壇で育てた藍を使って、1年目は絞り染めのハンカチ、2年目はグループごとの旗、和紙に染めたりと、毎年藍染に挑戦している。
12月に行ったクリスマスキャンドルでは、クリスマスソングを歌って、とても気分が盛り上がった。ハーブ花壇でとったラベンダースティックづくり。こうした作品は、秋に行われる区民文化祭にも出品されている。
ふれあい花壇は夏の水やりなどほんとうに大変な時期もあるが、花苗の成長を我が子のように見守って手入れをしてくださるメンバーのおかげで、区内でも指折りの管理状態と評価されている。活動するスペースは小さくても、長く続けられ、また中央区の他の地区にも活動の輪が広がることを願っている。

■岐阜県国際園芸アカデミー准教授:相田 明氏
zenkoku09_g_clip_image002_0003  屋上緑化の効果を3つ、ヒートアイランド現象、それから微気候、これを改善する、もしくは緩和をする。それからもう1つ、生態系の復活。今まで屋上緑化というと、鑑賞を中心とした庭であった。
私の考えている庭は、利用、活動するような、屋上緑化のイメージを目的としている。屋上の菜園は、「市中の里山」のようなイメージで都市に住む人々に癒しの空間を提供することも造園の役割だということで考えている。
2004年の開学のときから屋上緑化をやっており、植栽面積は144㎡と結構広い。屋上自体の面積は288㎡なので、半分が土の面積となる。屋上緑化では、普通は軽い軽量土壌を使うが、なぜか普通の土が入っている。畑の土が7割、それから山砂が3割。軽量と比べると砂が舞わないし、鍬で耕せる。
ハーブガーデンのエリアがあって、オリーブとか、普通のハーブだが、いろいろある。バラ、ブドウ、かんきつ類、ザクロ、それから月桂樹、など。それから畑、野菜を育てる、夏野菜から冬野菜、いろいろな野菜を育てる庭がある。
種をまいて、苗が育ち、実がなって、翌年また、そのとれたものをまくという自然のサイクルが必要である。これは環境自体が「環のつながり」があるからである。野菜の具は学校でとれたもので、みんなで食事をしたりすることも1つの授業である。

【第二分科会:Bコース】 健康と生きがいづくり:熟年者の活動

テーマ:熟年になっても生きがいを持ち元気に暮らすための
施設や地域での活動例をもとに話し合う。

■NPO法人緑の風景理事長:高松 雅子氏  ★コーディネーター

zenkoku09_f_clip_image002 NPO 日本園芸福祉普及協会の講師として、各地での養成講座で実習を担当し、60箇所約300の園芸福祉モデルガーデンの制作実習を見てきた。様々な経歴を持ち、いろいろな考え方をする人が集まって一緒にガーデンを作る。はじめは、話しにくかった人も園芸作業を通してだんだん楽しくなってくる。植物とは、自然 とはなんて素敵なものなのかとあらためて感動する。みんなで集まって一つのことを達成できる喜びを感じることができる。
現在、大学医療福祉学部の学生に園芸福祉講座をするとともに、数か所の高齢者施設で園芸福祉活動を行っている。同時にひろしまね園芸福祉協会として、初 級園芸福祉士資格を取得した会員に対して、植物知識・仲間づくり・園芸福祉プログラム作成などのスキルアップを目指し、植物活用講座・園芸福祉活動の場を 提供した活動を勧めている。
その中で園芸福祉士として高齢者施設で働かれる方、地域の活動で生きがいを見つけられる方など、多くの人が活動を始められてきた。
都会の生活は楽(らく)だけれど、田舎の暮らしは楽しい(たのしい)という話をよく聞くが、熟年者が、または熟年者とどのような場所でどんな活動を継続していくかは重要な要件になる。
この分科会では、パネリストの発表により、熟年者における園芸活動を通じた健康づくりとは何か、熟年者の介護予防・生きがいづくりについて、様々な活動を皆さんと考えていけるようコーディネートしていきたいと思う。(録音原稿がないため大会誌寄稿文から抜粋)

■くすのきカルチャーセンター講師:真利子 武久氏
zenkoku09_f_clip_image002_0000①園芸サークル「まりこ会」主宰。くすのきカルチャー教室全員を中心に32名が集まり、中央くすのきカルチャーセンター前で花の勉強会を実施していることを紹介。
②鹿骨五丁目町会・緑のボランティアが中心となって、鹿本通りの道端に朝顔を植え、「あさがおロード」として地域の方々に楽しんでいただいている活動を紹介。
③江戸川花卉園芸組合の活動紹介フラワーロード・花壇コンクール、花の祭典、バラ展の様子。(録音原稿がないため大会誌寄稿文から抜粋)

■NPO法人岐阜県園芸福祉協会理事:井上 いほり氏
zenkoku09_f_clip_image002_0001 高齢者施設で地域サロンをしている。施設入居の方だけではなく、近隣の方にも参加してもらい、入居の方、地域の方の交流の場を設けている。
そして花を楽しむためのプログラムづくりもしている。陶芸、絵手紙、折り紙、カードづくり、ヒーリングドッグ、茶会、紙切り。
例えば、陶芸は、自分達で粘土をこねて、2カ月かけて花器をつくり、その花器に花を生けて文化祭で飾るという一連の流れをつくった。また、夏場の花もちが悪いときは、花を絵手紙にして友達に送るなど。
何を言われても、どの場面で話を聞かされても対応できるポケットをいっぱいつくりましょう。
出会いの時間は参加の皆様が輝ける時間と位置づけて、今日は、これをやるんだと意気込むのではなく、自分が持っていったプログラムを皆さんと顔を合わせ たときに、アレンジしてバリエーションを変えること。そして、話には必ず耳を貸す。「待っとってね、後でね」という言葉は禁句にして。「はい」と必ず返事 をして耳を傾けている。
そして、職員さんとコミュニケーションを図って、その人なりの接し方を心がけている。そして作品、アレンジでも寄せ植えでもすべてのものができ上がったときは、その人なりの完成度を褒める。
今、施設は、ハンドマジック、井上マジックと言っていただいているが、枝の向きを1個変える。花の向きを1個変える。花の高さを1つ変えるだけで表情が変わる作品として、皆さんの驚きの声を上げている。そんな時間をつくりながら、実は私が一番脳トレと、それからこれからの道の勉強をさせていただいている。

■NPO法人おかやま園芸福祉普及協会副理事長:藤原 正子氏
zenkoku09_f_clip_image002_0002 2003年に定員40人の通所介護施設に勤務、日々20人から30人のご利用者の方たちと接していた。認知症はもちろんのこと、半身麻痺、視覚、聴覚障害の方に楽しんもらえるプログラムを考えてきた。皆さんに楽しんでもらうには、まず自分が楽しくなければということを一番大事に思ってやってきた。
2007年に地元にある職域生協が福祉介護事業を立ち上げるということで、移籍をした。移籍をした先が築70年の民家改修型のデイサービスで、一日の定員が10人というこじんまりしたところである。懐かしい家のつくりや庭先も広く、柿の木やさくらんぼ、それから切り花にできる花々も四季折々咲いていた。
畑にできるスペースもあり、活動の想像は膨らんでいった。スイカのあと、ダイコンとかジャガイモをつくっている。収穫したら、当然、食べる前に実際のものを持って障がいがある方でも一緒に手伝いながら持って、触れて、それで重さ当てのクイズをする。賞品は特にはないが、私の抱擁をあげる言って、ハグをしてあげるととても喜ばれる。
毎年恒例になっているのが、クリスマスツリーとお正月飾りのアレンジメント。ほとんど1年がかりで集めた廃材を利用してつくっている。
ハーブを使っての香り当てゲーム、目隠しをしても行っている。現物がなくても秋の花の名前を皆で幾つ言えるか、花の出てくる歌、野菜の名前、それを使った野菜料理はなど、楽しい雰囲気で、皆さんが好きなゲームの1つになっている。
皆さんと楽しんで園芸福祉を行うためには、準備が一番大切だと思っている。想定外のことが発生するのは当たり前、それも含めて楽しく過ごせることを実践していくことが大切だと思っている。

■豊作の会代表:川津 晴美氏
zenkoku09_f_clip_image002_0003 豊作の会ではいろいろの活動をしているが、その1つにデイホームと施設での園芸活動、園芸福祉活動、農園での園芸福祉活動をしている。施設での活動はある企業の経営するデイホーム、農園は、世田谷区立の公営のデイホームの方たちが訪れる。
まず、施設での園芸活動の特徴としては、室内での活動、季節に合わせたクラフトを中心に行っている。つくった作品は、お土産として持ち帰ってもらう。時にはその季節の歌を歌ったり、ゲームをしながら作業をしたりする。
1例として、この施設のそばに、招き猫のお寺があるので、それをもじって種や実を使ったペットボトルで招き猫をつくったりしている。
農園での園芸活動、園芸福祉活動は屋外での活動である。世田谷区内で、1,000平方メートルぐらいの農園を借りている。畑の収穫物は皆様へのお土産として持ち帰ってもらっている。たくさんの作物を栽培しており、アイ染めをやるためのアイを育てたり、農産物の加工、またそれを皆さんで試食する、食べたり飲んだりするそういうプログラムも取り入れている。
毎回、デイホームの送迎バスで15名前後が訪れる。ボランティアの皆さんと声をかけ合って、一人一人手を携えて、農園の散歩、夏は、ゴーヤのトンネルもあり、順番待ちをすることもある。トンネルから出たらそこは田んぼがあり、大体10m四方位の広さの中でコシヒカリ・赤米・黒米・緑米といろいろなお米をつくっている。
効果としては、植物を通して五感を刺激することにより、さらなる生きがいを見出せ、関係者みんなが楽しめる。手を使って、頭を使って、足を使って楽しむことを体で体験することを重点的に考えている。

【第二分科会:Aコース】健康と生きがいづくり 障害者就労支援・自立支援の活動

テーマ:障害があっても地域のなかで活き活き暮らすための就労支援・
自立支援の活動例を基に話し合う。

■園芸福祉にいがた代表:家老 洋氏  ★コーディネーター

zenkoku09_d_clip_image002  地元の新潟県長岡市では、農園芸分野における障害者就労のための「ユニバーサル農園芸えちご」という組織を2年ほど前に立ち上げて、現在、取り組みを積極的に行っている。
障害者支援で感じるのは、どちらかというと、福祉分野ということで、障害者は福祉で全部守られるという形での状況だったのではないかと思っている。自立支 援法が制定された以降は、障害者が自立するためには、就労し、そしてお金を得るためにはどうしたらいいのかということについて考え始めた。施設の利用者は じめ、行政も、家族の方々もそういったことに取り組み始めたということについては、一定の評価ができるのではないかと思っている。
障害者の就労支援、あるいは、就労だけではなく、例えば8時間の仕事だけではなくて、その8時間の後の生活支援。それから、障害者の親、あるいは身内が亡くなって、障害者が一人になった場合の住居支援といったことについても触れて、話し合いを進めていきたい。

■江戸川区障害者就労支援センター所長:福岡 徹氏
zenkoku09_e_clip_image002_0000 障害者就労支援センターは、障害者の就労支援をするという相談事業で立ち上げたセンターである。平成14年からこの事業を始めたが、平成17年から授産事業と一般企業の中に作業所を設けて授産を開始した。それ以外に、訓練部門がある。
この通所授産をやるに当たって、なかなかいい方法がなく悩んでいたところ、園芸で障害者就労の支援ができないかという声が聞かれた。いろいろなところを見ている中で、都内でもできるのではないかということでシイタケとブルーベリー、それからオリーブなどの育成事業に取り組んでいる。それ以外に、環境促進事 業団に協力を得て近くにある公園清掃も手がけている。
園芸は、情緒の安定につながる。本人に合わせた作業が取り入れられ、五感を刺激することで、いろいろな感情が本人に培われていく。それから、仕事を通して 責任感がすごく培われる。都内で園芸をやることは、地域の方々との触れ合いが必要になってきて社会性も身につく。
それから、限られた時間で作物を管理・育成をすることを通して、集中力がかなり身についてくる。そういう仕事を通して就労意欲がかなり身につくということ もあるが、一番大きかったと考えているのは、つくったものを区役所、駅前等で販売するとお客さんとの会話、また触れ合いが生まれて、コミュニティの形成が培われて、障がい者にとっても就労に結びつく効果をもたらすことである。
今後の課題として、就労できない方も自分の能力を十分に発揮して、地域の中で生活していく社会性なり、自立しようという気持ちを育てていくことが課題だと思っている。

■社会福祉法人つきがた友朋の丘支援員:森島 史乃氏
zenkoku09_e_clip_image002_0001勤務する友朋の丘は、札幌より北に50キロほど離れた空知管内にあり、豪雪地帯といわれる地域だが、トマトや花の生産地でもある。
定員は40名で、施設入所支援と生活介護の事業所であり、生活支援と日中活動の提供をしている。日中活動では、リハビリや創作活動を行っている班、トマト を中心とした野菜栽培をしている農耕班、原木と菌床シイタケをしている椎茸班、そして園芸活動をしているグリーンポケット、昨年より開始した園芸療法活動 のグリーンステップがある。
今までの園芸活動は、もともと利用者さんをはじめ、地域の人たちが集えるようなガーデンをつくろうとした際に縁があり、月形町の隣の美唄市にある専修大学短期大学で園芸療法や造園を学ぶ学生の方たちが足を運んできてくれるようになった。
その後、地域の方たちも気軽に参加できるような活動をしていこうということで、大学で園芸療法を学んだ方や初級園芸福祉士講座で知り合った方たちに声をか け、活動に来てもらうようになった。定期的に施設外の方が参加してくれるようになり、利用者さんたちも活動を心待ちにする様子が見られている。
地域の方たちが楽しく、構えず参加してもらうため、施設見学や知的障がいとはどんなことか、施設利用者の重複している各障害の特性などについての研修会も行っている。
今後の方向性として、利用者さんの高齢化が進みつつある。昨年度より、個々の園芸プログラムの活動に沿って、利用者個々に支援をし、ストレス指数などをも とにデータをとり、個々のプログラムの有効性を検証するものである。この活動が、今後の高齢を迎える利用者支援のために役立つことを期待している。

■NPO法人土と風邪の舎理事長:渋谷 雅史氏
zenkoku09_e_clip_image002_0002 川越で園芸福祉の活動を7年間、NPOとしてやってきた。テーマである自立支援、就労支援へのきっかけは、前回、岐阜で開かれたときの園芸福祉全国大会で ある。その後、静岡に視察に行ったり、特例子会社で、農業を取り入れているところに視察に行ったりして、少しずつ勉強してきた。
その中で、農林水産省が主催の農業分野における障害者就労支援セミナーを今年1月に埼玉教育会館で開いた。100名定員のところ200名以上が参加、そのうち農家・園芸従事は3名しかなく、ほとんどが就労支援の仕事や医療・福祉に関係するメンバーだった。
園芸福祉のNPOとしてできることは、1つが、働き手への支援。もう一つが受け手、いわゆる農家への支援。3つ目が、支援する側への支援という、3つの支援を柱に事業を取り組んでいる。
まず1つが、精神科のデイケアで自立から就労を目指すプログラムとして6月から12月まで、農業実習を4回、就労研修を2回、実施しているところである。 精神の障がいを持っている方々に、1年間のプログラムとか、毎月、毎週1回やりますというと、できませんとあきらめてしまう。
ところが。やってみると、職員が驚くぐらい積極的に、普通だったら、もうあきらめるような方が、続けている。実習を通して、少しずつ農業、あるいは植物を仕事にすることに対して興味を持ってきている。
それから、農家向けのセミナーを開いたり、支援する側のセミナーを11月に開催する予定である。
最後に、この事業をしていく上で、いつも考えているのは、園芸福祉をするNPOなのだということ。どういう支援をすれば、そういう障害のある方が、農業の分野、あるいは植物を仕事にすることができるのだろうかということを考えて、展開している。

■NPO法人しずおかユニバーサル園芸ネットワーク理事:中村 幹子氏
平成16年に園芸福祉大会を浜松で開催され、その後、県から委託を受けたのが、障害者就労支援サポーター事業である。障がい者支援もあるが、農家の活性化ということを目的に始められた。今年度になり、名称を農業実習サポーターと変更している。
この事業は、社会に初めて出る特別支援学校の生徒と、初めて農家で受け入れる体験をする小規模農家とのマッチングに向けて、課題や解決策を見つけ、実習の円滑化を図るため、NPOからサポーターを派遣している。
内容としては、サポーターの派遣、サポーターのスキルアップのための研修会とか検討会、実習を行った際の反省会を開いている。それから、視察研修として、就労できた生徒がいる農家に出かけ、働きの状況や問題点聴取などを行っている。
zenkoku09_e_clip_image002_0003 具体的には、生徒を受け入れた時、出かける業務がたくさんある場合にはサポーターが連携して、一緒に作業する、あるいは、作業の間に生徒がうまくコミュ ニケーションをとれない時、その中間に立ったり、時には一緒にお弁当を食べたりして、コミュニケーション能力を引き出し、うまく実習が進むようにしてい る。
この事業をやって、実際に就労したのは5人。農林事務所と経営者も、この事業を通して連携が強まった。それから、初級園芸福祉士も、こういう分野もあることを見つけた。これから、さらに進めていくには、関係機関の意識の違いが少しずつ変わっていくことで、その下支えとして、農家の方や特別支援学校の生徒から、意識を強めていくため、学校との連携の強化に取り組みたいと思っている。

【第一分科会】青少年の心を育てる園芸福祉活動

テーマ:園芸活動を通して情操面や青少年の生きる力を育むことについて、
総合学習などの事例を基に話し合う。

■ジュニアサッカークラブFC Allez(アーレ)代表:設楽 力氏 ★コーディネーター

zenkoku09_d_clip_image002  幼稚園から、今は大人までやっているサッカーチームの代表を2005年から務めている。サッカークラブの中で園芸福祉活動は、気ままにサッカー以外でも楽しめるなってことぐらいの感覚で参加してもらっている活動である。
それを、ビバキッズスポーツクラブという本体をつくり、サッカーとはまた別の事業ということで、園芸福祉の部門をつくった。種からまいて収穫して味わうというトータル的なプログラムが子供たちには良いと考え、農園体験を中心にやっている。
今のところ、その人・物・金も充実したクラブづくりができている。子供たちもすくすくと成長して、クラブを去っていった子供たちもまた手伝いに戻ってきてくれ、生き生きとした週末を送っている。

■江戸川区立南篠崎小学校すくすくスクールサポーター:栗原 俊夫氏
zenkoku09_d_clip_image002_0000 南篠崎小学校の近くにある子供たちが考えた150以上の候補から選ばれた「みんなニコニコみどりの畑」。以前は雑草だらけの困った空き地だった。
調べてみると、東京都の所有で区に管理が委託されていることがわかり、区に話をすると、すぐに整備をしてもらえることになった。
空き地ではなく、何かうまく活用していくことができないだろうかという声が上がり、学校、すくすくスクール、共育プラザが共同で畑として運営、地域のボランティアも協力してくれることになった。
子供たちも畑づくりに参加、元気な野菜に育ってほしいと願いを込め暑い中、一生懸命草むしりもする。また、親からは、普段見られない新鮮な笑顔がすごく見られるのと、新しい発見をして、虫を見つけたり、収穫したりして喜ぶ笑顔が見られるのが一番うれしい。
自分たちで育てた野菜を収穫して食べる。それは子供たちにとって、とても貴重な体験。多くの人たちが協力し合って、荒れていた空き地は、子供たちが農体験ができる場所になった。

■世田谷区立奥沢小学校教諭:石黒 眞史氏
zenkoku09_d_clip_image002_0001  小学校の中でもう少し生き物を育てることを考え直したいと思い「花いっぱい、笑顔と元気もいっぱいの小学校づくり」に取り組んでいる。
活動の内容は、授業のカリキュラム内のクラブ活動、45分間。月曜日の6時間目に設定している。現在は6年生が4名と5年生が5名、そして4年生が5名の合計14名。
4月~6月は野菜や花の種まき。7月には、育ててきた物が収穫できる時期になるのでトウモロコシや枝豆、そしてミニトマトなども1人1鉢ずつ、大きく育ち、大喜びして子供たちと収穫した。
秋は、落ち葉を集めて堆肥づくり、腐葉土づくりもしている。1月~3月は冬の野菜を収穫しながら、サヤエンドウなどを植える。サヤエンドウの味噌汁をつくって、クラブを見学しに来た子にふるまいながら、来年もどうぞこのクラブに入ってという発表会をしている。
種から育てる楽しみというのは、先生たち、ほんとうに今忙しい時代だが、それでも子供と一緒に水をやったり、虫がいるけれど、どんな虫なのか、子供と話をするきっかけにもなるわけなので、教育の場であることを考えて、これからも園芸がどう学校教育にかかわれるか、勉強していきたい。

■長岡市役所緑化推進指導員:島峰 悦子氏
zenkoku09_d_clip_image002_0002 花づくりは人づくりである、人づくりは町づくりであるというのが長岡市の考え方。「幼少期からの関わりが大切である。豊かなこころと感性を育む」という思いで、いろいろなプログラムに対して助言してる。
岡南保育園は、マイポットをつくることがとても上手、園児が色を塗って先生と共同でつくり、地域のお年寄りと一緒に植え込みをする。一番目の花が咲いたら、自分のが一番だっていうので大変。
子供たちが朝行ったら、お花に「おはよう」って挨拶することが大事、まず、そこからあいさつをすること、花の名前を覚えることもやはり大事だと思う。
保育園も小学校もそうだが、一人一鉢運動をやってくださいねと話している。自分のものとして、自分の名前のついたものというのであれば、管理できる。
北部保育園は、種まきからということで、発芽の感動がすごく大切だということから保育園でも種まきを勧めている。年齢に合わせていろいろな種まきができるようになる。
食育は育てるところからということで、いろいろな物を育ててもらっている。一番人気は枝豆、どこへ行っても同じ、2番目、スイカである。子供たちには、育 てることから収穫して調理・加工することまで進めている。「トマトできたらどうする」って聞くと自分が食べるっていう子はほとんどいない。自分の育てた物 を自分の家族にと答えが多い。

パネルディスカッション:園芸福祉のすすめ

パネリスト発表要旨(コーディネーター:進士五十八氏)

■江戸川区長:多田 正見

●江戸川区の緑化運動の取り組み

zenkoku09_c_clip_image002  江戸川区は、戦争直後は、半分農村のようなところであったが、だんだん緑が少なくなり、前の区長が「進めよう ひろげよう ”ゆたかな心 地にみどり”」という標語をつくり、40年前から区民に緑化運動を呼びかけてきた。
昭和47年当時、1人当たり2.6本、これを1人当たり10本にしようという目標を立て、平成21年で1人当たり8.5本になっている。10本には至って いないが、47年当時は人口が48万人であったが、現在は67万人と分母が大きくなったからである。また、昭和45年の公園面積は38ha、公園数98園 であったが、今は347ha,、438園と増え、1人当たりの面積も約5倍になっている。

親水公園をはじめとた色々な緑のネットワークをつくって昔の灌漑用水を生き返らせることを目標にした。その条件として、下水道普及が最大課題であったが、 20年間で普及に結びつけた。水に悩まされた区であるが、その水を今度は福に転じて、私たちの生活の中にゆとりとして取り込んでいこうという逆転の発想で 取り組んできた。

●区の農業者が独特のの都市農業を
 江戸川区の農業は、花卉とあわせ野菜の生産も活発である。コマツナは、全国ブランドで生産高は横浜に次いで、2番手が江戸川区で品質が良いということで、大変な評判の農産物である。
また、1年に6回ぐらい収穫をする集約農業は、江戸川区の農業者が編み出した独特の都市農業方法である。東京では、八王子と江戸川区が都市農業の両翼の横綱であり、八王子の10分の1の耕地で同じような生産高を上げるという効率農業をやっている。

●アダプト活動参加は6,000人
 緑のフェスティバルは毎年やっているが、緑に対して生活の中でどういうふうに関わったら良いかということを、多くの方に体験してもらうイベントである。こういう中から、公園ボランティア、あるいはアダプト制度などが誕生して、区内の相当箇所で展開されてきている。
清掃活動などを含めて、今、公園ボランティアは全体で2,500人位はいる。アダプト活動に参加している人たちは大体6,000人位となり活動もさまざま形で広がっている。

■NPO法人花と緑と健康のまちづくりフォーラム理事・事務局長:田村 亨氏

●園芸福祉を地域の活動に広げたい
zenkoku09_c_clip_image002_0000 電力会社の社員であるが、名古屋港にある発電所の構内の緑地を使ってワイルドフラワーガーデンという公園をつくり、その管理担当となったことが花・緑の活動のスタート。
公園を管理する中で、特に平日には、非常に多くのデイサービスの方とか障がい者施設の方が大勢来園、そうした方々に草花と触れる喜びを感じ、楽しんでもらうかなどの課題も生まれた。
最初は勉強会を始めて、みんなでやりましょうと提案したが、なかなか腰が重いこともあり、自分たちでやるしかないなということで、NPO法人をつくった。
その間、園芸福祉活動に理解のある自治体も生まれ、知多市では緑と花のまちづくりをテーマに園芸福祉活動を緑のまちづくり計画の中にも組み込んでもらっている。そこでは講座を開催して修了者にはサポーターとして、市長の名前で認定するといった事例もある。
また、ブルーボネット自体も見せるだけではなく里山里地と花のガーデンとして参加型のガーデンへの改造にも取り組んだ

●みんな一緒に楽しめる活動に
 今までやってきて、名古屋では、行政とのタイアップは必要であると感じた。名古屋市は大規模公園が市内に点在している。その公園を都市住民に利用してもらうために園芸福祉活動のフィールドにしていこうという展開を始めている。
その一例が、名古屋市所有の今年100周年を迎えた都市公園「鶴舞公園」である。昭和区の手をつなぐ育成会という知的障がい者の親子の会の方と公園を一緒につくっている。NPOに公園管理を任せて、しかも知的障がい者と一緒に公園をつくることは名古屋市の公園では初めての取り組みである。
また、都市公園で視覚障がい者に花の喜びを教えて一緒に楽しむ活動もやっている。実際に触れ合って五感で楽しめるようガイドするといった活動も進めている。

■園芸福祉ふくおかネット代表:山崎 博子氏

●会社では考えられない出会いが
 37年間勤めた会社を、病気が理由でやめたが、何か社会の役に立ちたいという思いで、家から歩いて5分のところにある国立九州がんセンターの春夏秋冬の庭で、患者さんやその家族の方の気持ちをくみながら庭づくりをしている「花の仲間たち」というボランティアグループとして活動を始めて9年になる。
現在、会員は30名。月2回の定例会のほかに、自分の余暇時間を利用して作業に来る人も多くいる。だれかが毎日いる庭は、患者さんや家族の方にとっても、病室では言えない悩みや付き添われている方の不安や不満を訴えられることが多い。「今の私たちにとって、この庭は薬の次に大切なものです」と、「花苗代に」と浄財をくださる方もいる。

●福岡県や市と協働や韓国交流も
zenkoku09_c_clip_image002_0001 九州がんセンターでのボランティア活動をきっかけで初級園芸福祉士の認定を受け、園芸福祉ふくおかネットの立ち上げにも参加した。月1回の役員会と、会員が参加する例会、それに会としての活動場所、園芸福祉の庭の手入れをしている。
園芸福祉の庭は、福岡市アイランド中央公園の中にある。福岡市と管理協定を結び、五感の花壇などをつくっている。交通の便が悪いが、市の公園の中に「園芸福祉の庭」と名前がついたコーナーがあることに誇りを感じている。
3年前から、福岡県の委託事業をしています。これは、福岡県が花の需要を伸ばすために花の活用を促進させていくためのものである。小学校や高齢者施設、病 院などの公的な場所にアドバイザーとして出かけている。福岡県花のアドバイザー養成講座、年に1回開催している。
現在、130人近くの人がアドバイザーとして登録されており、小学校で、授業の中、園芸委員会の中、PTAと子供たちなど形態はさまざまだが、学校の要望を聞きながらアドバイスしている。
また、アジアに向けても園芸福祉の種は広がっている。今年の3月、私たちの会と交流を続けている韓国花卉消費会や釜山市役所の方が、園芸福祉の講演会を釜 山で開催してほしいという要望を受け、福岡での事例や市役所の3例を発表。初めてにもかかわらず、400人の方の参加があり、感激を受けた。
最後に、花緑の世界が広がれば、争いは減っていくのではないかと思っている。緑の回復拡大は、私たち市民の穏やかな生活を広げていくことである。

基礎講演:園芸福祉から環境福祉へ

進士五十八氏 (NPO法人日本園芸福祉普及協会会長、東京農業大学教授・前学長)

■都市化の問題は人工化と画一化
zenkoku09_b_clip_image002 「この100年間で地球上の人口は4倍に増えたが、実はエネルギー消費を大量に使うようになって、今の環境問題が起きた。だから都市問題に対処しなきゃいけないわけですが、都市化の問題は2つあると思っています。
都市が過密になって、人工化する。人が増えれば当然、コンクリートアスファルトジャングルにせざるを得ない部分があるんですね。
それからもう一つは、建物その他が非常に画一化しました。鉄、アルミニウム、ガラスでつくるという時代になりました。機械でつくるものですから、全部、全国、いや、全世界が同じになってきてしまいました。
人工化と画一化ですね。だから自然が喪失し、人間性も失われてきたというわけであります。そこで、江戸川区だけではありませんが、大都市、環境共生都市でなきゃいけないというのが私の考えです。
共生は「ともに生きる」というんですね。仏教では「ぐしょう」とか「ともいき」といいます。「ともいき」というと多分おわかりの方が多いと思うんですね。いろんな異なった集団がお互いに助け合って生きるという、これが「ともいき」の思想です。」

■環境共生には3つの共生が必要
「私は3つの共生と言っていますが、それを整理すると、生き物との共生、江戸川区のように水がたくさんあり、水があったら緑が豊かになりますね。水と緑があれば生き物が出てきます。実は人間も生き物ですから、その手前に昆虫や鳥やさまざまな生き物がいる。生き物のいる雰囲気というのが大事なわけですよね。
環境共生には、もう一つ、資源やエネルギーがあります。この資源やエネルギーについては、もう今盛んに言われているCO2の問題が最大の問題ですね。
それから最後、地域共生という考え方を私は言っています。都市と農村、今までは、都市に住む、特に東京に住んでいる人たちは、農村というのは、ほとんど目の中に入っていなかったんですよね、みんな一極集中であり、自分のところしか見なかったんですね。
地域共生という考え方は、江戸川区の中でも地域共生なんです。つまり小岩あたりと篠﨑と、それぞれ違う場所、場所同士がお互い個性を競い合って、それで多色刷りの江戸川ができるわけですね。
みんな一色にしちゃしょうがないんですね。それは東京でもそうだし、日本全体でもそうなんです。多様性というのは生物だけの多様性じゃなくて、町の多様性が私は大事だと思っています。多様であると、助け合って生きていけるんですよね。」

■アメニティーは愛のある環境
「環境の問題からいうと、私はいつも申し上げているんですが、都市というのは、体中を水と緑の血管が通っていなきゃいけない。手の先、指の先まで体の隅々まで緑と水の血管が通っていて初めて健康なんですね。
建築の人は省エネを頑張る、土木の人は水がしみ込むような舗装や循環をちゃんとする、水循環をやる、河川なんかもそうですね、水循環。それから造園の人は緑化をちゃんとする、この3つさえしっかりやれば、いろんな効果があって、街全体がすごくよくなる、健康になると思っているわけです。」
「私のアメニティー論というのは、アメニティーというのは英語ですけれども、もともとはラテン語の「アモニタス」で、さらにさかのぼると「アモーレ」という、「ラブ」ですね、愛するという意味になるんですね。だから愛のある環境なんです。
愛のある環境というのは、安全で便利であること、美しい街であることですね。それから、今の生き物が生きられる街。あと2つ、地域らしさというのが大事だと思っているんですね。最後は、原風景といいます、懐かしい風景。ふるさとを感じるということですね。この5つ全部満たしたときに、ほんとうの環境になるんですね。」
「緑は大事だという意味ですが、これは生き生きして、命を感じるということですね。特に子供の教育には大事ですね。種から芽が出ることを実感として自分で感じさせるということですね。
公園ぐらいになると、情緒性、春、夏、秋、冬、季節感を感じる。だから並木は常緑樹ばっかりじゃいけないんですよ。街路樹は落葉樹がいいんですよ。冬になると葉を落とすからいいんです。その手前で黄色くなって赤くなるというのも大事なんですね。これが情緒ですよね。
最後、安定性。緑があると、どっしりと安定しているんです。都市を取り巻く土地を安定させているんですね。いわば父親のような役割であります。緑は、父親のような役割も、情緒性のような母親の役割も、子供たちのような命を感じさせる役割も持っているわけです。」

■グリーンエコライフに期待
「農業は、英語ではアグリカルチャー、園芸はホーティカルチャー、水産はアクアカルチャーと言います。全部「カルチャー」なんですね。「カルチャー」というのは文化で、文化は土地によって違うということなんですね。世界中同じになるのが文明で、それぞれが個性を持っているのが文化なんです。
この日本の文化である花文化や園芸の文化を大事にすること、あるいは農というのはそういう人間がかかわりながらつくられた自然だから、野生の自然と全然違うんです。人間化した自然ですから、ほんとうに親しみやすい、人のいわば感情移入できる自然なんですね。
そういうふうに考えると、これはグリーンエコライフをみんなでつくってほしい。これが実は国土を救うし、日本を救うし、子供たちを大きく育てます。だから、皆さんがやっているのは、一応趣味で楽しくてやっているんですよ。それでいいんです、入り口は。しかし将来はそれがもっと大きな意味を持っている、そういう活動に広げてほしい。
私は、園芸福祉というのは、医食同源でもあるし、子育て、教育問題と環境問題とか、いろんな無縁だったと思うものがみんなつながってくると思っています。これが、今日、言っている環境福祉であります。
園芸福祉も、私は立派なアートだと思っているんです。人と人のコミュニケーションも、そしてそれぞれが自分の想像力を発揮して、先ほどのお話にもありましたが、いろんなものをつくってはチャレンジしていくわけですね。そのプロセスそのものは、まさにアートじゃないですか。
最後に、園芸福祉の思想の種をまくんですね。思想の種をまき、行動を刈り入れなさい。行動の種をまき、習慣を刈り入れなさい。習慣の種をまき、人格を刈り入れなさい。人格の種をまき、運命を刈り入れなさい。我々は既に園芸とか福祉という種をもう十分にまいて、行動も始まっております。
江戸川区の花のまちづくりコンクールでずっとあちこち現場を見せていただきました。ほんとうにたくさんの方がボランティアで頑張っておられます。
既に行動は習慣になっております。だから好かれる人柄、人格ができるんですね。そういう人間ができたら、間違いなくいい運命が、みんなに愛される、好かれて、仲間もたくさんいて、寂しくない、そういう運命をきっちり刈り入れているはずなんですね。そう思っております。」

記念講演:21世紀”いま”

岸 ユキ氏 (女優・兵庫県ひょうご森の倶楽部名誉会長)

■農業を始めたのは父親の影響

zenkoku02 「私は絵かきの娘なんです。私の父は日本画家で、もう亡くなりましたけれども、大きな絵をかいておりました。それで、父が亡くなる前に、私が「山梨で農業 をやるのよ」という話をしたら、「何でお前が農業やるんや、何でお前が」と何回も言いました。不思議だったんでしょうね。
でも、よく考えると、父の影響なんです。父はアトリエのちょっと出たベランダのところで花を育てていたんですけれど、夏にはダリア、冬にはスイセン、見事な花を咲かせました。今から思うと、本格的に素晴らしい花を咲かせました。」
と、お父さんとの思い出を語り、そして、NHKの『明るい農村』などの番組から農業と出会った経緯を通して、お話されました。

■農業のすばらしさを伝えたい
 「私は都会生まれの都会育ちで、農業なんて全く知らなかった。それでテレビの番組に出会って、初めて知ったんですね。そして日本の農山村300カ所以上歩いて、わあ、日本の国って美しい国なんだなあ、山が多い国だけれど、平均すればおよそ70%が山です。そして、猫の額ほどの土地を耕して、一生懸命お米や野菜をつくって、そして海があるわけですね。山に降った雨や雪がゆっくりと地に浸透して、そして山の幸や里の幸や、最終的には海の幸を私たちに与えてくれている。」
「私は、その農業のすばらしさというのをぜひ1人でも多くの人に伝えたいな、そう思って、山梨県の韮崎市に拠点を持ったんです。南アルプス、八ヶ岳、茅ヶ岳、富士山、周りはすばらしい景色です。
1反1畝、330坪ほどなんですけど、畑はおよそ200坪ほどあります。でも200坪を夫と2人で耕すのは大変です。その200坪の中には、11本の梅の木もあります。」

■自然とのコミュニケーション
 「農業は、いろいろなことを教えてくれます。まず自然とコミュニケーションをとらなければ、農業なんてできません。種のまきどき、収穫どき、いろいろあるんです。私たちはとにかく東京にいて、行きたくても行けないということがあったりして、ちょっとずれたりすることがあるんですけど、そうするともう芽が出なかったり、収穫どきを外すと、ちょっと育ち過ぎちゃったり。
夏野菜なんかはもうしょっちゅうです。オクラとかキュウリとか1週間置いちゃったら、もう腕ほど太くなりますよ。
自然とのコミュニケーションは、なかなかとれないけれど、18年やっていますが、毎年毎年違います。今年は、たった3本しか植えないカボチャの苗だったんですけど、65個カボチャができたんです。」

■人とのコミュニケーション
 あと、もう1つ、農業には人とのコミュニケーション。1人では何もできない。ほんとうそうです。いろいろお隣との共存とか、やっぱり一生懸命やっていないと、みんな仲間に入れてくれません。
私たちをその土地に一生懸命導いてくれて、いろいろ世話をしてくれている人なんですけど、ある時、うちへ来たんですよ。汗びっしょりかいて。「岸さんね、農業っちゅうもんはね、ラッキョのような汗をかいてやらないと本物じゃないんだよ」と、汚いタオルで顔をふきながらそう言うわけですね。ぎらっとした目をしてね。
結局、都会から来た者に何ができるという気持ちもあるわけです。それはそうですよね。「ラッキョのような汗をかかないと」。私はそのとき思いました、それから私は大粒の汗をかいております。
そして、今年もそうでしたけれども、毎年、お盆は草刈りで明け暮れます。連休もそうです。連休は夏野菜の苗を植えるんですけどね。それからは草との闘い。実は、私たちは全部手でやろうと。だから耕すのは全部、三つまたの鍬でやっているんです。自分たちの人間力を試そうと。
夏、太陽の光を浴びたトマトやキュウリやオクラやシシトウ、ピーマン、インゲン、そういうものをいただくと、心の底から心底、心身ともに元気になります。それで夏を乗り切るんですね。もう生き生きですよ。」

■ほんとうに豊かな世の中に
 「先ほど日本はすばらしいと言いました。四季がある、季節がある、このことをもう一度思い直したほうがいいんじゃないかな。この季節、旬のもの、それをやはり家庭レベルでほんの少しでも家庭の中に四季の風を入れていくという、このことがとても大切だなと思うんです。
その四季の風を家庭の中で感じる、そのことがどれほど生き生きと暮らすことにつながっているかという、そのことを感じるんですよね。
緑と花と、そんな中でみんなが幸せになろう、健康になろう、まさにそうですよ。四季を感じて、ほんとうに健康になれます。
そのことが21世紀、もう20世紀じゃないんです。物やお金、お金はちょっとは欲しいけど、でも、やはりほんとうに豊かな世の中にしていかなくちゃいけない。それは1人1人のそういう心がけ、家庭の中に四季の風を入れる、私はそのことが大切だと思うんですね。

ページの先頭へ戻る