京鹿子(キョウガノコ)
みなさん こんにちは
実家の裏庭、小さいつぶつぶの蕾が開いて、ピンク色の花がふわふわっと咲いていました
「京鹿子(キョウガノコ)」はバラ科シモツケソウ属の多年草
古くから庭園などで栽培され、茶花にも利用されてきたようですが自生種ではなく
下野草(シモツケソウ)と越路下野草(コシジシモツケソウ)の交雑種といわれているそうです
名前の由来は、京都で染めた鹿の子絞り(かのこしぼり)から
「京鹿子(きょうかのこ)」は絞り染めの一種で、鹿の斑点のような模様をぎっしり並べたピンク色の絞りのこと
草丈は50cm~150cmくらい
茎は緑色で、紅紫色を帯び、よく枝分かれをします
長い柄のある葉は、明るい緑色の葉色と掌状の独特の形のため
庭の陰翳の中にあって存在感を持っています
開花時期は6月から7月
枝先に集散花序(最初の花が枝先につき
その下に次々と側枝を出して花がつく)を出して
花径4、5mmの小さな花をたくさんつけます
花の色はピンク。白花のものは夏雪草(ナツユキソウ)と呼ばれています
初夏の庭先で、ピンク色のつぶつぶの小さい花を密生させて咲くキョウガノコ
せつなくなるまでに愛らしい花姿に、とっても癒されました
i.s
水無月(みなづき)
みなさん こんにちは
「水無月(みなづき)」は6月の異称
「水無月」の“無”は、“の”にあたる連体助詞なので、「水の月」という意味
旧暦6月には田に水を引く月であることから、水無月と呼ばれるようになったよう
明日11日は雑節のひとつ「入梅」
田植えの時期を決めるのにあたって梅雨入りの時期が目安になるために設けられたものだとか
暦の上での梅雨入りなので実際の梅雨入りとは異なるはずが、今年はそうではないようですね
梅雨入り宣言をしたものの、雨は降らず連日の夏日続きで、物議を醸しているよう
今週は台風も発生していて、いよいよまとまった雨が降るようですが・・・
熱中症や水の管理にも気をつけてたいですね
水つながりということで、今日は首都圏ネットの岡田さんに頂いた写真をアップします
日比谷公園のかもめの広場
東京都の鳥であるユリカモメを模した「カモメの噴水」と色あざやかなポピー
「噴水」は夏の季語
水しぶきは見ているだけで涼しさを感じて、夏の暑さを癒してくれますね~
i.s
三宝寺池沼沢植物群落
みなさん こんにちは
井の頭池や善福寺池と並んで、武蔵野三大湧水池のひとついわれる、石神井公園の「三宝寺池」
江戸時代には、いかなる日照りにも涸れないといわれ
昭和30年代頃までは、真冬でも池面が凍らない「不凍池」として知られていたのだとか・・・
この池は中の島にハンノキが生え、コウホネやカキツバタ、ミツガシワなど
さまざまな水生植物、湿地植物が自生して、独特な景観をなしています
なかには氷河期からの生き残りといわれる貴重な植物もあり
昭和10年に「三宝寺池沼沢植物群落」として
国の天然記念物に指定されています
なかでもミツガシワがこのような低地に自生しているのはとても珍しいそう
豊富な湧水により水温が低く保たれたおかげでだとも・・・
都市化によって湧水は減少し、水温上昇や水質変化のせいで
貴重な植物は消滅の危機に瀕したそうですが
地下水の供給などの保護対策によって徐々に復元されているそうです
都内とは思えないほど緑豊かな武蔵野の面影を残している「三宝寺池」
池のほとりにめぐらされた木道はとても素敵~
みなさんも自然観察や散策に出かけてみてはいかがですか
i.s
エビネ(海老根)
みなさん こんにちは
明日から6月4日までの期間は二十四節気の「小満(しょうまん)」です
秋に蒔いた麦が色づきはじめ、春に咲いていた花は散り、実をつけ
草や木の緑は色濃くなり、新たなエネルギーが満ちあふれる時期
万物が勢いよく成長して、天地に生気が満ちるということから「小満」と呼ばれる、気持ちのいい季節
ただし、今日の東京の空はあいにくの雨模様
ちなみに、沖縄では、梅雨のことを「小満芒種(すーまんぼーすー)」と呼ぶそう
小満から芒種までの間が沖縄の梅雨というわけです
先日訪れた牧野記念庭園でみつけた「エビネ」
ラン科の常緑多年草
日本全土の低山の林下に生育し、朝鮮、中国に分布
名前の由来は、地下に連なっている茎と、そこから生えている根の様子が
まるでエビの頭を指でつまんで持ち上げたように見えるところから
新茎の先に葉を2~3枚つけて
5月に葉間から花茎を出し、多数の花をつけます
可憐に咲く姿かたちに、すっかり見せられてしまいました
i.s
光り輝く花
みなさん こんにちは
独特のエナメル光沢を持つ花を咲かせる「ウマノアシガタ(馬の足形)」
キンポウゲ科の多年草
平地の日当たりのよい場所に生えます
花期は4~6月。花の大きさは1.5~2cmほど
草丈は40cm。よく枝分かれします
名前の由来は、根元近くに生える葉の形が
馬の蹄に似ていることから、つけられたようですが
実際は、葉は3~5つに分かれ馬よりも「鳥の足」に似ているよう
「鳥の足形」がいつの間にか「馬の足形」になったのでは・・・との説も
有害成分を含んでいて、茎から出る液が皮膚にかぶれを引き起こします
別名の「キンポウゲ(金鳳花)」は、この植物の八重咲き品種に付けられた名前
「金鳳花」の方が、この光り輝く花のイ メージにはよく似合っているようです
光沢のもとは、花弁の下のデンプンを含む細胞層が光を反射することによるのだとか
初夏の日差しを浴びてきらきらと光る小さな花が、細い茎の先でゆらゆらと風になびいていました
i.s
ムラサキツユクサ(紫露草)
みなさん こんにちは
きょうの午前中、九州と中国、四国地方の梅雨入りが発表がされました
平年より4日~11日早い梅雨入りだそうです
近畿から関東にかけての梅雨入りもまさに秒読み段階
いよいよ本州にも雨の季節到来~
雨が似合う花「ムラサキツユクサ(紫露草)」は、北アメリカ原産、野生化している帰化植物
ツユクサより、花や葉が大きい耐寒性の常緑多年草
ムラサキツユクサは、花茎の先端に集散状の花をつけますが
花は朝咲いて、午後には萎む一日花
花色は紫色が基本で、他に白やピンク、赤紫などがあります
花の感じは洋風庭園というよりは、和風庭園の方が似合いそう
ちなみにツユクサとは属が異なり、別の植物
ムラサキツユクサはトラデスカンチア属、ツユクサはコンメリナ属
雨粒や露を滑らす葉や花は野趣にあふれていて
しっとりした雰囲気は艶やか~
i.s
麦秋至(むぎのときいたる)
みなさん こんにちは
今日、31日より七十二候のひとつ「麦秋至(むぎのときいたる)」に入ります
麦が熟して、収穫するころ。実りの季節を、麦の秋と呼びます
四季では初夏ですが、この時期は麦の実る時期なので
収穫の時を表す「秋」という言葉と「麦」を組み合わせて「麦秋(ばくしゅう)」と言い表します
刈り取りを待つ麦畑は、いちめん黄金色
「麦嵐」は、そんな麦秋の時期に麦の穂を揺らし、吹き渡っていく風のこと
「麦の秋風」ともいうのだとか
梅雨入り宣言したものの、ここ数日、曇りなのか雨なのか中途半端な天気が続いていましたが
今日は気温も高くスッキリ晴れて、溜まった洗濯物を干すにはピッタリな洗濯日和の一日に
梅雨の晴れ間が広がるのは、3日に1度といいます
みなさんも、つかの間のいいお天気をお楽しみくださ~い
ヤマボウシ(山法師)
みなさん こんにちは
旧暦五月は、現在の暦でいうと6月から7月の初めで、ちょうど梅雨のころ
「五月晴れ(さつきばれ)」は、本来は梅雨の晴れ間のこと
「五月」という言葉のとおり5月の晴天だと思いがちですが
実はこれは大きな間違いって、みなさんはご存知でしたか~?
くもりや雨の続く中、時折現れる青空は格別
予報とは相反して五月晴れだった週末、出かけた昭和記念公園で見つけた「ヤマボウシ(山法師)」
ハナミズキの近縁にあたり、花びらのように見える純白の総苞(そうほう)が美しい花木
ミズキ科の落葉高木
初夏の6月から7月にかけて特徴のある花を咲かせて目立ちます
4枚の花弁のように見えるのは総苞で
その中心に多数の花がつきます
和名の「山法師」は、中央の丸い花穂を坊主頭に
4枚の白い花びらを白い頭巾に見立てて
比叡山延暦寺の僧兵の「山法師」になぞらえたそう
中国名は「四照花」
枝いっぱいに花が咲いたときの、四方を照らす様子をあらわしています
秋にイチゴのように赤く熟す果実は、甘くて食べることができるのだとか・・・
一度、食べてみたいな~
i.s
スイセンノウ(酔仙翁)
みなさん こんにちは
艶やかな濃いピンク色の花が、実家の庭にいつの間にか咲きだして、今ではあちこちと咲き乱れ
母に「なんていう花?」と聞くと、誰にもらってどうやって増えたかも定かではない様子
「調べてね」とにっこり・・・ということで、さっそく調べてみました
「スイセンノウ(酔仙翁)」はナデシコ科センノウ属の多年草
原産地は南ヨーロッパ
茎は直立して分枝し、草丈は40~60cmくらい
夏から秋、長い花柄の先に花径3cm前後の5弁花を咲かせます
花色は明るい紫紅色が多いようですが、白やピンクもあるよう
和名の「酔仙翁」は、赤い花を赤い顔に見立てて
ほろ酔いの仙人にたとえて名づけられたものだとか
また、昔、京都嵯峨の仙翁寺に花が咲いていたからとも
別名の「フランネルソウ」は
茎や葉をふくめ株全体が柔らかい白毛でおおわれていて
これがフランネル(略称ネル)という布の風合いに似ていることから
枝分かれした茎には花をひとつずつしかつけないので「一人娘」と呼ぶ地域もあるようです
ふわふわした白い産毛におおわれた茎や葉のさわり心地はビロードのよう
なんだか懐かしい肌触りにうっとりして、やさしい気持ちになる花です
i.s
夏萩
みなさん こんにちは
梅雨の晴れ間の日曜日、お墓参りの帰りに出かけた「関口芭蕉庵」
俳人松尾芭蕉が神田上水の改修工事に携わった際に住んでいた住居跡
敷地内は芭蕉堂や庭園、池などからなっている文京区関口にある史跡
都心ながらその野趣あふれる庭園が見所となっていて
敷地内にはいくつかの歌碑・句碑がありました
「古池や蛙とび込む水の音」の記念碑のそばで咲いていた「夏萩」
萩といえば、秋の七草のひとつ
万葉集に詠まれ、日本画、着物の柄などに描かれる馴染み深い花
秋の花と思っていましたが、夏に咲くものもあるのですね
夏萩とは別名で、一般には「ミヤギノハギ(宮城野萩)」とよばれているそう
名前のとおり、宮城県の県花で
宮城県のシンボルマークはこの花を図案化したものだとか
このほかにも夏萩は
夏の終わりから秋の初めに咲く「南天萩」「四葉萩」「猫萩」
夏開花する「野萩」「めどはぎ」「犬萩」「藪萩」などを指すそう
緑色の葉の間から紫紅色の花をのぞかせる夏萩
池のふちに枝を伸ばして、上から下へと流れるように咲く可憐な花姿に涼しさを感じます
「関口芭蕉庵」の近くには回遊式泉水庭園を中心に広がる公園の「新江戸川公園」や
細川家に伝わる武器や美術品を公開している「永青文庫(えいせいぶんこ)」があります
みなさんも一度出かけてみてはいかがですか
i.s