いま、なぜ園芸福祉
農園芸に携わることにより、心身の健康や癒やしに効果があることは古い時代から考えられてきました。なかでも江戸時代は暮らしや経済はすべて植物に支えられていたといえ、植物の持つさまざまな力が国民生活を成り立たせる園芸福祉社会といって過言ではない時代であったといえます。
その後の工業の発展により、人々の生活は便利になり経済的な豊かさを手に入れましたが、自然破壊や環境汚染を招き、大都市への人口集中は農山村の過疎化や都市でのコミュニティーの空疎化という憂慮すべき現象を招いています。
そして21世紀、いまや時代は、モノの消費を中心とした社会から自然や環境と共生をめざす循環型社会の実現に向け進んでいます。今こそ、植物と接することや園芸・農芸作業によってもたらされる幅広い効果を見直し、社会のさまざまな分野で活用すべき時を迎えているのです。