第6回 2007年10月5日(金)~7日(日) 岐阜県岐阜市
■第6回園芸福祉全国大会inぎふ 2007年10月5日(金)~7日(日)
第6回となる今回は、園芸福祉活動の普及を県事業として取り組んでいる岐阜県で開催されました。これまでのような講演や分科会とあわせ、前回の福岡大会で新たに導入されたポスターセッションも行われました。
夕刻からの交流会では、様々な地域からの参加者同士が活発な交流をされ、また、岐阜の有名な郡上踊りを皆で踊ったりして和やかなムードでした。オプション では長良川の鵜飼の見学、岐阜県内の園芸福祉を実践している病院や施設・公園などや、観光地をめぐる小旅行も催されました。
▼プログラム
第1日目:10月5日(金)
13:00~17:30 全体会
●主催者・来賓あいさつ
●基調講演 『園芸福祉立国』
日本園芸福祉普及協会理事長 進士五十八氏 (東京農業大学教授・前学長)
「これまでの、お金でする経済福祉から、人と人との関係や豊かな自然環境で生きるという環境福祉が時代的な背景からいっても重要。
その実践として仲間と一緒に花や野菜を育てる園芸福祉の活動は、都会人のストレス緩和にも役立つため、都市に農業・農地があるのは大切なこと。
園芸療法は手段として活用されるものであるが、園芸福祉は、生きていく目的として位置づけられても良い。これからは園芸福祉が市民のライフスタイルになるよう皆さんと普及していきたい。」と話されました。
●シンポジウム『園芸福祉の未来を語る』
コメンテーター、土屋博氏(農林水産省)・脇坂隆一氏(国土交通省)進士五十八氏
事例発表として、新潟県長岡市の花と緑の活動や県全体の園芸福祉活動の広がり、大阪府高槻市で展開されている街角デイハウスでの園芸活動を通した高齢者福祉の実践例を紹介、コメンテーター各氏や会場との意見交換。
最後に、岐阜県立恵那農業高校園芸デザイン科の生徒が、高齢者と一緒に花を栽培して交流する活動を紹介。生徒の1人は、植物には人と人とを結ぶ力がある。 お年寄りの「ありがとう」の言葉がうれしい。と話していました。若い世代の活躍がますます園芸福祉活動を広めていく力強さを感じました。
18:00~ 情報交換会(懇親会:岐阜都ホテル)
第2日目:10月6日(土)
9:30~12:00 分科会(6分科会)
第1分科会:楽しむ 各パネリストの発表要旨
テーマ『楽しむ』:家庭から地域へのガーデニング
内容
地域の人たちと連携しながら活動している事例を基に組織や仕組みづくりの必要性、そして、楽しみ方を話し合いました。
コーディネーター:岐阜 国際園芸アカデミー准教授:相田明
パネリスト:岐阜 岐阜県園芸福祉サポーター:桑澤芳江
パネリスト:京都 亀岡市花と緑の会副会長:尾崎まこと
パネリスト:福岡 園芸福祉ふくおかネット事務局長:山﨑博子
パネリスト:東京 シニアライフアドバイザー・初級園芸福祉士:岡田久男
第2分科会:癒される 各パネリストの発表要旨
テーマ 『癒される』:誰もが元気に生涯現役を目指して
内容
治療やリハビリ、健康増進や介護予防での事例を基に患者・利用者・生活者を含めて花や緑を通じた生きがいづくりについて話し合いました。
コーディネーター:大阪 NPO法人たかつき代表理事:石神洋一
パネリスト:岐阜 医療法人 白水会 白川病院 園芸療法担当:長谷川千早
パネリスト:岐阜 介護老人保健施設花トピア可児 理学療法士:山本悠
パネリスト:愛知 園芸療法士:後藤美佳子
パネリスト:長野 長野園芸福祉ネットワーク代表:藤田政良
パネリスト:岡山 おかやま園芸福祉ネットワーク代表:斉藤哲也
第3分科会:生かされる 各パネリストの発表要旨
テーマ 『生かされる』:地球環境における植物の活かし方
内容
古来から、植物の恩恵を受けて暮らしてきたことを前提に環境保全・生命循環・地域コミュニティ醸成に向けた活動の事例から新たな活動のあり方を話し合いました。
コーディネーター:栃木 エム・グリーンデザイン代表:茂木正行
パネリスト:岐阜 木つつ木倶楽部代表:須田 誠一
パネリスト:新潟 畑やかとうふぁーむ 代表・園芸福祉にいがた 事務局長:加藤隆行
パネリスト:兵庫 ひょうご宝塚園芸福祉協会理事・事務局長:立川文代
パネリスト:福井 有限会社見谷ナーセリー専務取締役:見谷春美
第4分科会:働く 各パネリストの発表要旨
テーマ 『働く』:地域に貢献できる仲間づくり、組織づくり
内容
障害者雇用からコミュニティビジネスの実践者の活動を基に地域のなかで草花を通じた様々な働き方・働き甲斐のあり方を話し合いました。
コーディネーター:群馬 フラワービレッジ倉渕生産組合理事:近藤まなみ
パネリスト:岐阜 ターシャの庭in Gifu代表:伊藤左紀子
パネリスト:静岡 NPO法人しずおかユニバーサル園芸ネットワーク事務局長:鈴木厚志
パネリスト:埼玉 NPO法人土と風の舎代表理事:渋谷雅史
パネリスト:大阪 株式会社美交工業専務取締役:福田久美子
第5分科会:育てる 各パネリストの発表要旨
テーマ 『育てる』:住民が協力して誇れる地域社会づくり
内容
ジュニアサッカークラブや高校での事例を基に世代間交流の大切さや青少年の情操教育への有効性について話し合いました。
コーディネーター:岐阜 国際園芸アカデミー准教授:多田充
パネリスト:岐阜 岐阜県立恵那農業高等学校園芸デザイン科
パネリスト:岐阜 岐阜県立飛騨高山高等学校園芸科学科
パネリスト:福島 ジュニアサッカークラブFC Allez代表:設楽力
パネリスト:三重 NPO法人植える美ing:三重県立相可高等学校
第6分科会:支える 各パネリストの発表要旨
テーマ 『支える』:住む人たちが協力して誇れる地域社会づくり
内容
住民生活を支える新たな施策として園芸福祉活動を取り入れている自治体や団体の成果や可能性を話し合いました。
コーディネーター:新潟 長岡市議会議員・園芸福祉全国大会にいがた代表:家老洋
パネリスト:岐阜 岐阜県農政部農産園芸課長:田内一郎
パネリスト:長野 駒ヶ根市産業振興部長:増野和男
パネリスト:三重 名張市産業部長:福森讓
パネリスト:愛知 中部電力(株)立地部立地グループ課長:田村亨
12:00~13:30 ポスターセッション 「絆・そこから生まれる園芸福祉」
大会を総括して、今後の園芸福祉活動を考えるために設けられた園芸福祉フォーラム。野尻眞大会実行委員長をコーディネーターに6つの分科会のコーディネー ター担当に加え、近藤龍良NPO法人日本園芸福祉普及協会専務理事もコメンテーターとして登壇、各分科会での討論内容の報告をもとに、会場との意見交換も されました。
第3日目:10月7日(日)
9:00~ 現地視察
花フェスタ記念公園(バラ)、白川病院、老人福祉施設、白川郷~下呂温泉宿泊ツアー等オプションとして長良川鵜飼。