第7回 2009年10月7日(水)~9日(金) 東京都江戸川区
■第7回園芸福祉全国大会inえどがわ 2009年10月7日(水)~9日(金)
首都圏では初となった第7回目の今大会は、水と緑の環境共生都市を標榜する東京都江戸川区で「進めよう 広げよう “ゆたかな心 地にみどり”」をテーマに開催されました。
当日は、台風18号の余波もあって悪天候に見舞われましたが、延べ1,300名弱が参加、「さすが、東京での開催」との声も聞かれるほどの盛り上がりを見せました。
プログラムは、これまでのような講演・シンポジウム・分科会・フォーラム・ポスターセッションなどを通して熱心な意見交換や交流が進められました。
▼プログラム
10月7日(水)14:00~20:00 全体会
開会にあたり、進士五十八NPO 法人日本園芸福祉普及協会会長から開会宣言、続いて、主催者を代表して工藤芳朗園芸福祉全国大会in えどがわ実行委員長が挨拶、歓迎の挨拶を多田正見江戸川区長、来賓を代表して須賀精二江戸川区議会議長、二階堂孝子農林水産省経営局人材育成課女性・高齢 者活動推進室長の挨拶をいただき、大会のスタートが切られました。
●記念講演 <演題>21世紀 ”いま” 講演要旨はこちら
岸 ユキ氏 (女優・兵庫県ひょうご森の倶楽部名誉会長)
山梨県の韮崎市に約200坪ほどの畑で農業を楽しんでいる岸さんは、純白のスーツで颯爽と登壇され、江戸川区、進士会長とのご縁を話された後に、農業を始 めたのは父親の影響もある。キッカケは、NHKでの農業番組を通して、農業が身近な存在となり、その素晴らしさを伝えたいと自身でも農業を始めたそうです。地元の片がとの交流を含め楽しいお話をしていただきました。
●基調講演 <演題> ”園芸福祉から環境福祉へ” 講演要旨はこちら
進士五十八氏 (NPO法人日本園芸福祉普及協会会長、東京農業大学教授・前学長)
江戸川区は水と緑の都市としてはほんとうに日本を代表する都市であると同時に、子供たちの声が町中ですごく聞かれ、これからますます元気になる街だとの紹介から始まり、都市化の問題点は、人工化と画一化であり、今後は、環境共生都市となる必要がある。
環境共生には3つの共生があり、先ず、生き物との共生、続いて、資源やエネルギーとの共生、最後、地域共生、それぞれ違う場所、場所同士がお互い個性を競い合って、一色ではない多様性を持つようになれば、助け合って生きていける環境共生都市ができる。等、様々な角度からより良い環境づくりに向けてのお話がありました。
●パネルディスカッション <演題> 園芸福祉のすすめ 発表要旨はこちら
基調講演後のパネルディスカッションでは、以下4名のパネリストから報告があり、普及や実践面での苦労談や今後のあり方について熱心に意見交換されました。
(コーディネーター)
・進士五十八氏(東京農業大学教授・前学長・NPO法人日本園芸福祉普及協会会長)
(パネリスト)
・多田正見氏(江戸川区長)
・山﨑博子氏(園芸福祉ふくおかネット代表)
・田村 亨氏(NPO法人花と緑と健康のまちづくりフォーラム理事・事務局長)
・五十嵐久美子氏(園芸福祉首都圏ネット代表)
●ポスターセッション
翌8日まで開催されましたが、全国各地から寄せられた個人や団体の実践活動のポスター・パネルの展示や作品を前に質問や交流など生の情報交換などが行われ ました。地元の活動に活かせる情報をと考えてこられた参加者の方々には、役に立つヒントが持ち帰れたのではないでしょうか。
10月8日(木)10:00~16:00 分科会&フォーラム
2日目の分科会は、6会場に分かれ、それぞれのテーマに沿って4名のパネリストが実践内容を報告、それに基づいて、会場の参加者の皆さんも交えて熱心な意 見交換がされました。今回は、紙面が限られていることもあり、認定者の皆さんが発表者となっていた5つのテーマについて、録音テープ起こし原稿から発表内 容の一部を要約してまとめさせてもらいました。
【第一分科会】 テーマ:青少年の心を育てる園芸福祉活動 発表要旨はこちら
園芸活動を通して情操面や青少年の生きる力を育むことについて、総合学習等の事例を基に話し合われました。
(コーディネーター)
・ジュニアサッカークラブFC Allez(アーレ)
代表:設楽 力氏
(パネリスト)
・江戸川区立南篠崎小学校すくすくスクール
サポーター:栗原 俊夫氏
・世田谷区立奥沢小学校教諭:石黒 眞史氏
・長岡市役所緑化推進指導員:島峰 悦子氏
・群馬県立藤岡北高等学校教諭:飯塚 光恵氏
【第二分科会】 テーマ:健康と生きがいづくり
園芸活動を通した生きがいづくりについて、二つのコ-スに分かれて、心身の健康増進や治療、リハビリ、介護予防、自立支援等の事例を基に話し合われました。
※Aコース:主に障害者就労支援・自立支援の活動 発表要旨はこちら
障害があっても地域のなかで活き活き暮らすための就労支援・自立支援の活動例を基に話し合いました。
(コーディネーター)
・園芸福祉にいがた代表:家老 洋氏
(パネリスト)
・江戸川区障害者就労支援センター所長:福岡 徹氏
・社会福祉法人つきがた友朋の丘支援員:森島 史乃氏
・NPO法人土と風の舎理事長:渋谷 雅史氏
・NPO法人しずおかユニバーサル園芸ネットワーク理事:中村 幹子氏
※Bコース:主に熟年者の活動 発表要旨はこちら
熟年になっても生きがいを持ち元気に暮らすための施設や地域での活動例をもとに話し合いました。
(コーディネーター)
・NPO法人緑の風景理事長:高松 雅子氏
(パネリスト)
・くすのきカルチャーセンター講師:真利子 武久氏
・NPO法人岐阜県園芸福祉協会理事:井上 いほり氏
・NPO法人おかやま園芸福祉普及協会副理事長:藤原 正子氏
・豊作の会代表:川津 晴美氏
【第三分科会】 テーマ:環境にやさしい園芸福祉活動 発表要旨はこちら
様々な環境問題を抱える中、環境保全や休耕地活用などの事例を基に園芸活動の効用を話し合われました。
(コーディネーター)
・東京農業大学准教授:服部 勉氏
(パネリスト)
・いきいきガーデニングクラブ代表:黒澤 真紀子氏
・園芸福祉福岡ネット副代表:黒瀬 恵子氏
・園芸福祉首都圏ネット幹事:田畑 正子氏
・岐阜県国際園芸アカデミー准教授:相田 明氏
【第四分科会】 テーマ:花と農を楽しむ暮らし 発表要旨はこちら
園芸活動を通した地域づくりについて、市民農園やコミュニティガーデン等の事例を基に話し合いました。
(コーディネーター)
・NPO法人千葉県市民農園協会理事長:廻谷 義治氏
(パネリスト)
・ファーマーズクラブ東葛西講師:浅岡 博行氏
・手づくりのお花畑 はながさの丘管理人:押切 三晄氏
・NPO法人岐阜県園芸福祉協会サポーター:桑澤 宏康氏
・(特活)NPO支援センターちば:飯島 弘子氏
●フォーラム 「進めよう ひろげよう ”ゆたかな心 地にみどり”」
~ 園芸福祉と豊かな暮らし ~
大会を総括して、今後の園芸福祉活動を考えるために設けられた園芸福祉フォーラム。6つの分科会のコーディネーター担当により、各分科会での討論内容の報告をもとに、会場との意見交換が行われました。
10月9日(金)9:00~12:30
●施設見学会
小岩フラワーロード→江戸川区障害者就労支援センター→一之江境川親水公園→行船公園→フラワーガーデン→JR京葉線葛西、以上を視察コースとして、地元の担当の方々に熱心な質問が出され、楽しい交流がされたようです。